初めての方へ
鍼灸は予防医学のひとつです
鍼灸治療は昔より病気になる前に予防をするセルフケアとして取り入れられてきた療法です。
どんな健康な人でも骨格や筋肉、内臓にちょっとしたひずみが生まれたり、ストレスなどから心身に疲労が生じたり不調になることがあります。この身体の不調の段階で、十四の経絡を使い、人が本来持っている自然治癒力を向上させ、免疫力のある健康な身体を作ることで病気をはねつけ不調になりにくい心身共にバランスのとれたよい状態に導くことを基本に予防治療をすることができる療法です。
日々の生活をよい状態で支える療法である鍼灸を、セルフケア・健康維持としてどうぞご利用下さい。
不定愁訴と鍼灸
不定愁訴とは頭が重い、イライラするなど何となく体調が悪いという自覚症状を訴えて検査をしても原因となる病気が見つからない状態を指します。
頭痛・イライラ・動悸・めまい・耳鳴り・冷え性・不眠・倦怠感・肩こり・腰痛・頸腕症候群などがあげられます。
原因がはっきりとしないため治療方法が無いと考えがちですが、鍼灸治療では病名ではなく患者様の証(体質と現在のお身体の状態)を診断し、そこから患者様お一人おひとりにあった治療を施していきます。
他人には分かりにくいつらさや、不快感を抱えながら毎日を過すのは大変なことです。あきらめずに、ぜひ一度ご相談ください。
大切なのは全身のバランス
東洋医学では人間の身体を一つのものとしてとらえ、身体に表れている症状は局所的な身体の異常として診るのではなく、一つの生命体としての病態反応として診ていきます。
局所の症状は五臓六腑と言われる内臓の働きが表面に出てくるシグナル反応であることが考えられます。よってそれに係わる経穴「ツボ」を刺激する事で表面、あるいは根本(内臓)を刺激することになります。
表面に現れている症状に対しての治療と、その背景にある根っこ(根本)の治療をあわせて施術し、全身のバランスを整えていくことを大切にしています。
この様に全身のバランスを整える治療をしていくことが、つらい症状の改善そして調和の取れた身体へと導き、未病を治す(病気になる前に予防をする)ということに繋がっていきます。
四診(ししん)
適切な治療を行うために診察はとても大切なことです。
鍼灸治療では望診・聞診・問診・切診(脈診・触診)の「四診」と呼ばれる方法で診断致します。
四診は患者様の証(体質と現在のお身体の状態)がわかる大切な診察方法です。
問診では患者様がお悩みの心身の状態、生活習慣などをお聞かせ下さい。
また、治療についての不安、疑問等も遠慮なくお話し下さい。
瞑眩(めんげん)について
治療後、一時的にいろいろな症状が出てくることがあります。これを瞑眩(めんげん)と言います。
慢性的に疲労していた筋肉がほぐれ、老廃物が血液中に流される等が要因です。
体内にたまった毒を排出できない病気の状態から、免疫力を高める治療を受けるなどして体内から毒を排泄し、患者様の本来あるべき健康な状態に近づくための好転反応です。
良い結果が現れる証拠とされていますのでご心配はありません。
ご本人30%環境30%治療30%
病気を治す時、ご本人の治りたいという意志が30%、家族の手助けや生活習慣など環境が30%、治療が30%のバランスが理想とされています。残り10%は個々の状況により上記三つの中から必要なものをプラスしていきます。自然環境、生活習慣の改善とともに、ご本人の病気を治したいという思いが、より良い治療効果をもたらします。